休眠預金等活用における実行団体としての
業務ガイドライン

第1条(定義)
このガイドラインにおいて用いる用語の意味は、以下のとおりとする。
  1. 「休眠預金等活用法」とは、民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(平成28年法律第101号)を指す。
  2. 「実行団体」とは、休眠預金等活用法第19条第2項第3号イで定義される団体を指す。
  3. 「資金分配団体」とは、休眠預金等活用法第19条第2項第3号ロで定義される団体を指す。
  4. 「指定活用団体」とは、休眠預金等活用法第20条で定義される団体を指す。
  5. 「本事業」とは、当社が実行団体として実施する事業を指す。
  6. 「本事業担当者」とは、本事業担当部署に所属する当社の役職員のうち、本事業に従事する者を指す。
  7. 「本事業部長」とは、本事業担当部署の責任者となる当社の役職員を指す。
  8. 「当社の役職員」とは、当社の役員及び社員・臨時雇・契約社員・派遣従業員を含むすべての従業員を指す。
第2条(目的)
本ガイドラインは、当社が本事業を適確かつ公正に実施するために必要な、業務上のルールを規定することを目的とする。本ガイドラインは、当社が本事業を実施する期間、適用される。
第3条(適用範囲)
本ガイドラインは、当社の役職員に適用される。
第4条(事業の適正な実施)
当社は、休眠預金等活用法その他の適用のある法令のほか、休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本方針、休眠預金等交付金活用推進基本計画及び資金分配団体として選定を受けた際に付された条件を遵守し、善良なる管理者の注意をもって本事業を適正に実施する。
第5条(経理)
当社は、本事業においては、以下のルールにもとづき経理業務を行う。
  1. 企業会計原則に従って、会計処理を行う。
  2. 契約に基づいて資金分配団体から交付された助成金及び当社が自ら確保する自己資金その他の本事業を実施するために必要な資金については、本事業に係る財務諸表上の区分を設け、損益が明確になるよう区分経理を行うとともに実行団体の本店または主たる事務所に帳簿を備える。
  3. 本事業の資金の出納・保管にかかる管理業務は、本事業実施の当事者とは別の管理責任者が行う。
  4. 本事業の勘定科目、会計帳簿の種類、様式は、当社経理規程に従う。
  5. 金銭の出納保管、予算管理、決算にかかる業務の方法は、当社経理規程に従う。
第6条(情報公開)
当社は、以下のルールに基づき必要な情報公開を行う。ただし、一般に情報公開することの趣旨を尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることのないよう最大限の配慮を行う。
  1. 当社の定款について、正当な理由を有する者に対し、その閲覧ないしはその一部を謄写させるものとする。
  2. 本事業の事業計画、資金計画、事業報告について、資金分配団体または指定活用団体を通じて公開する。
  3. 株主総会の議事録のうち、本事業に関わる箇所について、正当な理由を有する者に対し、その閲覧ないしはその一部を謄写させるものとする。
第7条(利益相反防止のための自己申告等)
  1. 本事業担当者は、名目又は形態の如何を問わず、その就任後、新たに当社以外の団体等の役職を兼ね、又はその業務に従事すること(以下「兼職等」という。)となる場合には、事前に本事業部長に書面(電磁的方法を含む。以下同じ。)で申告するものとする。
  2. 前項に規定する場合のほか、当社と本事業担当者との利益が相反する可能性がある場合(当社と業務上の関係にある他の団体等に役員が関係すること(兼職等を除く。)によってかかる可能性が生ずる場合を含むが、これに限られない。)に関しても前項と同様とする。
  3. 本事業担当者が別紙に掲げる行為を行う場合には、事前に本事業部長に書面で申告するものとする。
  4. 本事業担当者は、6か月に一度、当該役員の兼職等の状況その他前条の規定に基づく申告事項の有無及び内容について本事業部長に書面で申告するものとする。
  5. 前各項の定めにかかわらず、本事業部長が前各項に基づく申告を行う場合には、これを本事業担当部署を所管する取締役(ただし、取締役である本事業部長については代表取締役とする。以下「所管取締役」という。)に対して行うものとする。
第8条(申告後の対応)
  1. 前条の規定に基づく申告を受けた本事業部長又は所管取締役は、必要に応じ、速やかに当該申告を行った者に対して、当社との利益相反状況の防止又は適正化のために必要な措置(以下「適正化等措置」という。)を求めるものとする。
  2. 前項における適正化等措置とは、当社と本事業担当者との利益が相反する可能性がある団体の業務委託先としての採用に関する議案の審議及び決議には参加しない等により利益相反を排除することをいう。
第9条(倫理に関すること)
当社は、本事業において下記の倫理原則を堅持し、その実現に万全を期するものとする。
  1. 基本的人権を尊重し、顧客・株主・役員・社員などの関係者及び一般市民の生命、財産の安全・保全を何よりも優先する。
  2. 当社の事業・業務に関する諸法令に深く留意し、全組織を挙げてその遵守を徹底する。
  3. 社会正義および企業の社会的責任の観点から、市民社会の秩序や安全に脅威を与えるあらゆる反社会的勢力および団体とは、一切関係を持たない。
  4. 社会正義および企業の社会的責任の観点から、市民社会の秩序や安全に脅威を与えるあらゆる反社会的勢力および団体とは、一切関係を持たない。
  5. 当社の役職員は、その職務や地位を自己又は第三者の私的な利益の追求のために利用しない。
第10条(利益相反等の防止及び開示)
当社は、利益相反を防止するため、役員の職歴及び賞罰について自己申告をさせるとともに、その情報を書面にしたうえで、正当な理由を有する者に対し、その閲覧ないしはその一部を謄写させるものとする。
第11条(特別の利益を与える行為の禁止)
当社の役職員は、特定の個人又は団体の利益のみの増大を図る活動を行う者に対し、寄付その他の特別の利益を与える行為を行ってはならない。
第12条(情報開示及び説明責任)
当社は、本事業の活動に関する透明性を確保するため、本事業にかかる活動状況、運営内容、関係資料等を積極的に開示し、社会の理解と信頼の向上に努める。
第13条(個人情報の保護)
当社は、業務上知り得た個人的な情報の保護に万全を期すとともに、個人の権利の尊重にも十分配慮する。
第14条(コンプライアンス体制)
当社は、当社に適用又は適用の可能性のある法令、定款又は内部規定の遵守(以下「コンプライアンス」という。)上の問題を的確に管理及び処理し、もってその事業活動の公正かつ適正な運営に資するための組織及びコンプライアンス施策の実施及び運営の原則を、以下のとおり定める。
  1. 当社の役職員は、法令、定款及び内部規程の内容を真摯に受け止め、本事業の業務遂行に際してはコンプライアンスを最優先する。
  2. 当社のコンプライアンスに関わる組織としてコンプライアンス責任者を置く。
  3. 当社の役職員は、コンプライアンス違反行為又はそのおそれがある行為を発見した場合は、速やかにコンプライアンス責任者に報告する。ただし、本ガイドライン第一四条に基づく通報等を行った場合はこの限りでない。
第15条(コンプライアンス違反事案への対応)
  1. コンプライアンス責任者は、前条の報告によるものを含め、コンプライアンス違反行為又はそのおそれがある事象を知ったときは、ただちに事実関係の調査を行い、対応方針を検討し、当該事象への対応を実施する。
  2. コンプライアンス責任者は、前項の対応の結果、不正の発生が確認された場合には、原因究明、関係者に対する厳格な処分及び再発防止策を確実に実施し、その内容を公表する。
第16条(内部通報に関すること)
当社は、本事業に置ける不正行為による不祥事の防止及び早期発見、自浄作用の向上、風評リスクの管理、及び当社に対する社会的信頼の確保のため、内部通報制度(以下「ヘルプライン」)を設けるとともに、その運営の方法等、必要な事項を以下のとおり定める。
  1. 当社は、本事業におけるヘルプライン窓口として、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が提供する資金分配団体・実行団体職員専用ヘルプライン窓口(以下「ヘルプライン窓口」)を活用する。
  2. 当社又は当社の役職員の不正行為として別表に掲げる事項(以下、「申告事項」)が生じ、又は生じるおそれがある場合、当社の役職員は、ヘルプライン窓口に通報、申告又は相談(以下「通報等」)をすることができる。
  3. 通報等を行なった者(以下「通報者」)、通報者に協力した当社の役職員及び当該通報等に基づく調査に積極的に関与した当社の役職員(以下「通報者等」)は、保護の対象となる。
  4. 当社の役職員は、通報者等が通報等を行ったこと、通報者に協力したこと又は通報者等に基づく調査に積極的に関与したことを理由として、通報者等に対する懲罰、差別的処遇等の報復行為、人事考課におけるマイナス評価等、通報者に対して不利益な処分又は措置を行ってはならない。
第17条(リスク管理に関すること)
当社は、リスクの防止及び当社の損失の最小化を図ることを目的として、リスク管理に関して必要な事項を以下のとおり定める。なお、このガイドラインにおいて「リスク」とは、当社に物理的、経済的若しくは信用上の損失又は不利益を生じさせるすべての可能性をいい、「具体的リスク」とは、不祥事の発生、当社に関する誤った情報の流布、財政の悪化、法人内部の係争、外部からの侵害、自然災害の発生その他の要因又は原因の如何を問わず、上記の損失又は不利益の発生の具体的可能性を伴うすべての事象をいう。
  1. 当社の役職員は、その職務を遂行するに際し、具体的リスクの発生を積極的に予見し、その内容及び程度を適切に評価するとともに、当社にとって最小のコストで最良の結果が得られるよう、その回避、軽減及び移転その他必要な措置(以下「回避等措置」)を事前に講じなければならない。
  2. 当社の役職員は、具体的リスクの発生を認知した場合には、これに伴い生じるこの法人の物理的、経済的又は信用上の損失又は不利益を最小化するため、必要と認められる範囲で、十分な注意をもって初期対応を行う。この場合において当社の役職員は、当該具体的リスクに起因する別の具体的リスクの有無も検討した上、必要に応じ、その回避措置も併せて講ずる。
  3. 当社は、以下に定める緊急事態が発生した場合、代表取締役をリスク管理統括責任者として、緊急事態に対応する体制をとるものとする。
  4. 本ガイドラインにおいて緊急事態とは、別紙に掲げる事象によって、当社、当社の事業所、又は当社の役職員に急迫の事態が生じ、又は生じるおそれがあり、当社を挙げた対応が必要である場合をいう。
  5. 緊急事態の発生時においては、当該緊急事態の対応を行う部署は、別紙に掲げる基本方針に従い、対応するものとする。
  6. 緊急事態への対応は別紙に掲げる手順に従い、対応するものとする。
第18条(改廃)
このガイドラインの改廃は、文書管理規程に定める手続きによるものとする。

以上

別紙(利益相反防止の規定に抵触する恐れのある行為)
  1. 業務の委託先になり得る団体等(以下「業務委託先等」という。)の役員又はこれに準ずるものに就くこと。ただし、やむを得ない事情があると認められるときは、この限りでない。
  2. 業務委託先等又はその役員若しくはこれに準ずるもの若しくは従業員(以下「業務委託先等役職員」という。)から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとして提供される場合を含む。)を受けること。ただし、業務委託先等又は業務委託先等役職員から、これらの者の負担の有無にかかわらず、物品若しくは不動産を購入した若しくは貸与を受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価が無償又は著しく低いときは、相当な対価の額の金銭の贈与を受けたものとみなす。
  3. 業務委託先等又は業務委託先等役職員から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付け、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
  4. 業務委託先等又は業務委託先等役職員から未公開株式を譲り受けること。
  5. 業務委託先等又は業務委託先等役職員から供応接待を受けること。
  6. 業務委託先等役職員と共に遊技又はゴルフをすること。
  7. 業務委託先等役職員と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
  8. 業務委託先等又は業務委託先等役職員をして、第三者に対し前 2 号から 7 号に掲げる行為をさせること。

以上

別紙(不正行為として申告できる事項)
本ガイドラインにおいて、不正行為として申告できる事項は、次の事項とする。
  1. 法令又は定款に違反する行為
  2. 業務委託先等又はその役員若しくはこれに準ずるもの若しくは従業員(以下「業務委託先等役職員」という。)から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとして提供される場合を含む。)を受けること。ただし、業務委託先等又は業務委託先等役職員から、これらの者の負担の有無にかかわらず、物品若しくは不動産を購入した若しくは貸与を受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価が無償又は著しく低いときは、相当な対価の額の金銭の贈与を受けたものとみなす。
  3. 当社の役職員又は取引先その他の利害関係者の安全又は健康に対して危険を及ぼすおそれのある行為
  4. 就業規則その他の当社の内部規程に違反する行為(ただし、人事上の処遇に関する不満を除く。)
  5. 当社の名誉又は社会的信用を侵害し、又は低下させるおそれのある行為
  6. その他当社、当社の役職員又は取引先その他の利害関係者に重大な損害を生じるおそれのある行為

以上

別表(緊急事態と対応の基本方針)
大項目 小項目 対応の基本方針
自然災害 地震、風水害等の災害
  1. 生命及び身体の安全を最優先とする。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 災害対策の強化を図る。
事故 爆発、火災、建物倒壊等の重大な事故害
  1. 生命及び身体の安全を最優先とし、環境破壊の防止にも努める。。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 災害対策の強化を図る。
当社の活動に起因する重大な事故
  1. 生命及び身体の安全を最優先とする。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 事故の再発防止を図る。
当社の役職員に係る重大な人身事故
  1. 生命及び身体の安全を最優先とする。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 事故の再発防止を図る。
インフルエンザ等の感染症
  1. 生命及び身体の安全を最優先とし、伝染防止にも努める。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 集団感染の予防を図る。
犯罪 建物の爆破、放火、誘拐、恐喝その他の外部からの不法な攻撃
  1. 生命及び身体の安全を最優先とする。
  2. 不当な要求に安易に屈せず、警察と協力して対処する。
  3. 再発防止を図る。
当社の法令違反等の摘発等を目的とした官公庁による立入調査
  1. この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
  2. 再発防止を図る。
内部者による背任、横領等の不祥事
  1. この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
  2. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  3. 再発防止を図る。
機密情報の漏えいや情報システムへの不正なアクセス
  1. 被害状況(機密情報漏えいの有無、この法人外への被害拡大や影響の有無)の把握
  2. 被害の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
  3. (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
  4. 再発防止を図る。
その他上記に準ずる法人運営上の緊急事態 この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。

以上

別紙(緊急事態対応の手順)
緊急事態の発生時においては、当該緊急事態の対応を行う部署(以下「対応部署」)は、原則として以下のとおり対応するものとする。
  1. 情報の収集、確認及び分析
  2. 初期対応の決定及び指示
  3. 原因の究明及び対策基本方針の決定
  4. 対外広報又は対外連絡の内容、時期、窓口及び方法の決定
  5. 当社の内部での連絡の内容、時期及び方法の決定
  6. 対応部署から指示、連絡又は命令できないときの代替措置の決定
  7. 対策実施上の役割分担等の決定、対策実施の指示及びその実施状況の確認
  8. その他必要事項の決定

以上